スポーツの世界には、ワールドカップやオリンピックといった世界一を決める大会が数多くあるのはご存知だとおもいますが、スポーツ以外でも世界大会はあります。
パスタの世界大会(パスタ・ワールド・チャンピオンシップ)や洋菓子の世界大会(クープ・デュ・モンド・ドゥ・ラパティスリー)フランス料理の世界大会(ボキューズ・ドール)など
もちろんパンの世界にもあります。
・パンのワールドカップと言われる「クープ・デュ・モンド・ラ・ブーランジュリー」
・ドイツで3年に1度開催される「iba cup」
・25歳以上のシェフと22歳以下の若手で取り組む「モンディアル・デュ・パン」
パンの世界大会にはこの3つがあります。パンを生業としているからには一度は世界一を目指してみたいものですね。
今回はこの3つの世界大会の応募方法と特徴を紹介します。
クープ・デュ・モンド・ラ・ブーランジュリー
クープ・デュ・モンド・ラ・ブーランジュリーとは
1992年にフランスのMOF(フランス国家最優秀職人)が中心となって設立されたベーカリーのワールドカップです。
世界中のパン職人が競うこの国際コンクールは、製パン・製菓の見本市EUROPAIN(フランス・パリ)で2年に一度開催されます。(1996年大会までは2年ごと、2002年大会までは3年ごと、2020年大会までは4年ごとの開催)
各国、国内選考、国際選考を経て、最終的に世界12ヶ国が選出され・パン部門・ヴィェノワズリー部門・飾りパン部門の3人で構成されたチームで規定の品目を8時間以内で仕上げ、技術、スピード、芸術性を競う大会です。
応募方法
応募方法は簡単です。
50歳未満の製パン技術者であれば、下記URLのフランスパン友の会クープ・デュ・モンド事業部へ応募費用8000円を払えば誰でも応募する事ができます。
お知らせ|クープ・デュ・モンド(ベーカリー・ワールドカップ) (pannews.co.jp)
クープ・デュ・モンドは・パン部門・ヴィエノワズリー部門・飾りパン部門と3部門に分かれており、1部門の応募に際し8000円が必要です。
3部門全部に挑戦したい場合は8000×3で24000円振り込みます。(なかなかそんなつわものはいませんが😰)
応募後の流れ
一次選考では作品規定のパンを審査します。
・パン部門の作品規定 ①バゲット ②パン・オ・ルヴァン ③パン・オ・セーグル
・ヴィエノワズリー部門の作品規定 ①クロワッサン(クレセント型) ②ブリオッシュ・ア・テット
③イーストを使用し油脂を折り込んだ生地 ④ヴィエノワズリー範囲内でイーストを使用した生地
・飾りパン部門の作品規定 発酵生地を使いテーマに沿って8時間以内に作成できる作品
一次選考を突破すると二次選考です。
上記の作品に自由課題が2品追加されます。
二次選考も突破すると、いよいよ最終選考です。
最終選考会場は2年に一度、東京と大阪で交互に開催される製パン製菓業界の総合専門展モバックショウで行われます。
そこで各部門1名ずつが選ばれて日本代表がきまります。
過去作品
日本代表になると今度はアジア予選です。
アジア予選を勝ち抜き、晴れてクープ・デュ・モンドへ出場できます。
以上が応募後の簡単な流れになります。
クープ・デュ・モンドに応募する事自体は簡単ですが、出場するには非常に過酷な道のりです。
特徴
特徴は3人1チームの所です。
パン部門、ヴィエノワズリー部門、飾りパン部門の3人が同じ場所で制限時間内に作るので各自が好きなように作っているとカマやホイロが詰まりタイムオーバーしてしまいます。
個人技量の他にチームワークも必要になってきます。
また出場者の傾向としてホテルやリテールベーカリーチェーンの会社員の方が常連となっています。
ポンパドウルやアンデルセン。ドンクや神戸屋。ホテルのシェフなどです。
クープ・デュ・モンド・ラ・ブーランジュリーは世界の製パンの最新のトレンドの発信となり製パン業界で高く評価されています。
iba cup(イバカップ)
iba cupとは
iba cupはインターナショナル チャンピオンシップ オブ ベーカーズ アンド コンフェクショナーズの略でドイツのミュンヘンで開催される国際製パン・製菓機材総合見本市で3年に1度行われるパンの世界大会です。ヨーロッパを中心に12ヶ国から選手が参加します。
各国から代表2人でibacupのテーマに沿ったパン達を飾りパンを含め協力して作り上げて技術、スピード、芸術性を競う大会です。
応募方法
応募方法は募集時期になると日本パン菓新聞社のホームページやフェイスブックでエントリーの募集しています。日本パン菓新聞社 (panka-shinbun.co.jp)
上記にもありますが、応募資格はベーカリー業務の従事者であれば年齢制限なしで応募できます。
応募後の流れ
応募後、フランスパンやクロワッサン、ブリオッシュなど数種類の規定のパンとレシピで一次審査が行われ、一次審査を突破した数名が最終予選へと進みます。
最終選考会では・フランスパン・クロワッサン・ブリオッシュ・ハード系のパン4種類と飾りパンの実技審査が行われ、2名が日本代表となります。
その後2人でテーマに沿ったパンを考え練習を積み、ドイツ・ミュンヘンでのiba cupへ挑みます。
特徴
iba cupはハード系のパンからヴィエノワズリー、飾りパンまで1人で作れる知識と技術が必要です。
ですが、応募人数自体は数十人と少なく、割合では勝ち上がる可能性は高いです。
2人で一緒に一つの作品を作り上げるので、練習を重ね息を合わせる必要があります。
参加者の傾向は全てを一から作る個人店や小規模パン屋のオーナーシェフが多い傾向です。
モンディアル・デュ・パン
モンディアル・デュ・パンとは
モンディアル・デュ・パンとはアンバサドール協会が主催、2年に一度フランスで開催される国際パンコンクールです。
25歳以上のシェフと22歳以下の若手パン職人がチームとなり、日常パン、健康と栄養パン、ヴィエノワズリー、サンドウィッチ、飾りパンなどの総合力を競い合う競技で若手の育成を目的とした唯一の大会です。
応募方法
25歳以上の場合の応募方法はリテイルベーカリー協同組合レ・アンバサドール・デュ・パン・ド・ジャポン協会Les Ambassadeurs du Pain du Japon – レ・アンバサドール・デュ・パン・デュ・ジャポン
へ参加費用6000円を振り込み、振込証のコピーをエントリー用紙に張り付け郵送します。
応募資格は日本国籍の25歳以上でパン作り5年以上の業務経験があるば応募できます。
22歳以下の場合も同様で3000円をお振込みの上エントリーします。
応募後の流れ
25歳以上は応募後、・バゲット・クロワッサン・パンスペシオ・ヴィエノワズリーを冷凍で郵送し、現物と書類で一次審査が行われ、一次審査を突破した数名が最終選考へ進みます。
22歳以下は応募後、・バゲット・クロワッサン・パンスペシオを写真で郵送し、写真と書類で一次審査が行われ一次審査を突破した数名が最終選考へ進みます。
最終選考では技術、センス、味、作業姿勢等、総合的に審査され25歳以上、22歳以下の各上位3名が選出され、各1位が日本代表になります。
その後トレーニングを重ねフランスの本選モンディアル・デュ・パンへ挑みます。
特徴
モンディアル・デュ・パンはハード系のパンからヴィエノワズリー、飾りパンまで1人で作れる知識と技術が必要です。
若手の育成を目的としている為、経験の浅い若手パン職人とベテランパン職人のペアとなるため、息を合わせる事が重要です。
参加者の傾向は全てを一から作る個人店や小規模パン屋のオーナーシェフが多い傾向です。
パン・お菓子作りの材料・器具専門店【TOMIZ(富澤商店)】まとめ
日本が参加しているパン業界の世界大会は以上の3種類があります。
どれも高度な技術とセンスと知識が問われる大会であり、いきなり世界に挑戦するには尻込みしてしまいます。
入賞している人はもちろん、チャレンジした人すべてを尊敬します。
日本国内のコンテストや大会もあるので、まずは日本のコンテストに挑み、経験と自信をつけ、いつかはチャレンジしたいですね!
以上です。報告おわります。
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