[パン学校]日本パン技術研究所~100日コースを受講しての報告書~

パン

はじめに

この報告書はパン学校100日コースを実際に受講し、その内容と感想を日単位で簡単に書き記した内容です。

100日コースは基礎コース70日間専門コース30日間に分かれています。

今回は70日間の基礎コースの内容と感想を報告書へまとめています。また土日は休みなので、実際はおよそ50日間ほどとなっています。

受講を悩んでいる方や受講して会社へ報告書を提出しないといけない方への参考にして下さい。

パン・お菓子作りの材料・器具専門店【TOMIZ(富澤商店)】

日本パン技術研究所100日コース(基礎コース)の内容と感想

1日~10日

1日目

午前 入所式&ガイダンス

内容

・自己紹介

・パン科学会館内説明

<感想&考察>

今日からパン学校100日コースが始まります。自店で頑張ってくれているメンバーに感謝して、1からパンを学び、自分をレベルアップさせ、部下に伝え、会社に貢献できるように頑張ります。

また、同業他社の人達と交流し、パン職人として広い視野を持てるようになりたいです。

午後 機材など大まかな説明

内容

・ミキサー

・オーブン

・メモの取り方

<感想&考察>

 ミキサーは主に三種類使用されている。「縦型ミキサー」は、10、20や90コートミキサーなど水が入る容量によって呼び方が違う。日本では最も使用されているミキサーである。「スパイラルミキサー」「スラントミキサー」は、ヨーロッパ発祥のミキサーであります。オーブンにもパンによってそれぞれ使用する種類が異なり、ウェルカーオーブン、ボンガード、リールオーブン、デッキオーブンなどがある。また、メモを自分で取るときは、機械や道具のメーカーまで全部調べておかないと実際再現する時、条件が変わってきてしまうことになる。明日から本番ですが、メモの取り方にも注意したいと思う。

2日目

午前 安全衛生

内容

・労働安全衛生

・度数率&強度率

・作業環境

・ブレインストーミング

<感想と考察>

 安全衛生とは、働く職場で怪我をしたり、病気にならないようにすることを目的とする。ハインリッヒの法則(1:29:300)によると、同じ人間の起こした同じ種類の330件の災害のうち、300件は無傷29件は微傷災害、1件は重症というヒヤリハットな災害を示す。昔は、パン学校に「ヒヤリハットノート」という今まで起きた災害を記したノートがあった。また、災害を数値化して示す方法として、度数率と強度率がある。度数率は、災害発生の頻度を表し、100万労働時間当たりの災害発生件数を求める。強度率は災害の頻度や程度を示し、1000労働時間当たりの休業日数を求める。この数値を基に、いかにして安全率を高めるか考えなければならない。災害の起きる原因には、4M(人間、物、機械設備環境、方法)と呼ばれる他、「測定方法」を入れて5Mと呼ばれることもある。このような原因から、物的要因を「不安全な状態」、人的要因を「不安全な行動」という。他にも大事になってくるのは作業環境が整ってるかどうかである。気積(作業場の必要最低限の空気の容量)は10㎥以上、照明は150ルクス以上、機械設備の必要通路幅は80cm以上など決められている。授業の最後には、ブレインストーミングを行いテーマ「モルダーの危険個所とその対策」について自由な意見を出し合い話し合って自分の思っていなかった考えなども聞けてよかった。自分が危険と思っていなかった知識不足なところを色んな意見を聞けたことでまた新たな発見ができた。安全な作業をするためには自分自身の心構えも大事なのでしっかりと「PDCA」サークルに基づき、安全意識、責任感、事実で考えて行動するよう心掛けようと思う。

午後 製パン理論1

内容

・パンの歴史

・製パン技術者

・気泡構造

<感想と考察>

 パンの歴史は今から5000年以上も前になり江戸末期の明治時代から発展していき1980年に以降には小麦粉換算で年間約120万トンの消費量になった。そこから企業間の競争による高品種化、多品種化が見込まれパンの潜在能力は無限大に広がっていった。しかし、発展と同時に製パン技術者たちには伝統を把握し常に最新の技術を築きあげていかなければならない課題がのしかかっていた。そのために消費者ニーズを把握することが大切である。今では、低価格志向やグルメ志向に重点を置きパンのおいしさの幅広さを把握する必要がある。製パン技術者が消費者ニーズに答えるには、「技能」と「理論」に基づく「技術」が必要不可欠である。パンの美味しさには幅広い多様性があり同じタイプでも作り方によっても、見た目、触れた感覚、食感などにより美味しさが変わってくる。その美味しさを提供するのに最も重要なのが「食感」であり、その食感を出すには「気泡構造」のコントロールが重要である。たとえ同一ボリュームのパンでも気泡構造によって全く別の食感に変わる。気泡数多いと、気泡膜が薄く、生地の伸展性、柔軟性、機械耐性も高くなり、窯伸びがよく、ボリュームがあり、食感が軽くソフトになり、老化も遅くなる。気泡数が少ないとその逆になる。これは、作りたいパンによって変化させることができるので、気泡構造のコントロールは非常に重要である。今後、気泡の細かな調整もできるようになり自分の理想のパンが作れるようになりたい。

3日目

午前午後 基礎製パン実技(食パン)

内容

・食パン中種法

・食パン直捏法(ストレート法)

・イギリスパン(ストレート法)

・食パン(ノータイム法)

・ハードトースト(ストレート法)

・レーズンブレッド(中種法)

<感想と考察>

 食パンについてあらゆる製法を用いたデモンストレーションを学習した。まず、どのパンにも言えることだが、材料を入れるときには注意点がある。パンの主原料は必ず以下の順番で入れるように心がける。<1水、2副材料(塩、砂糖、脱脂粉乳etc)、3小麦粉、4イースト>これは、副材料の粉体はどうしても水分を奪ってしまうので、イーストも一緒に入れると活動を抑制してしまう。そのため間に小麦粉を入れることで全体的に馴染むようにする。まず中種法は、小麦粉、イースト、水、生地改良材を入れて第一発酵に入る。その後の本捏で捏ね上げるときには、すでにグルテンが形成されているため生地の伸びがよく混ざりやすくなっている。また、第一発酵後には、エタノールなどアルコールが発生しそれが出来上がった時の風味や香りの強いパンに仕上がる。直捏法(ストレート法)は、イギリスパンとハードトーストでも利用したが、簡単に言うと全ての原材料を一度にミキシングして捏ね上げることである。通常のストレート法では、第一発酵の後に「パンチ」を行い生地をさらに締めて気泡膜をきめ細かくするための作業を行う。しかし、イギリスパンの場合、工程は似ているが、普通の食パンのようなプルマンブレッドと違って山型食パンなので、最初のミキシングの段階で普通にストレート法を用いた食パンよりもミキシングを控えめにして、焼成後の山型の膨らみを調整する必要がある。ハードトーストの場合は、生地をあまりミキシングを加えないで生地の伸展性を引き伸ばしグルテン形成を均一に保ちたい生地にしたいので、「オートリーズ」を行い強めの生地改良材を加え、生地を引き伸ばす。しかし、パンチのときにはまだ生地自体はミキシングが少ない分弱く脆いのでギリギリまで引き延ばして、生地が広がらない程度に叩く。成型時にも注意が必要で、生地の膜が弱いので、張らせるような一般的な丸目では生地の膜が破れる可能性があるので、小刻みに丸めを行い傷めないようにすることを意識する。次にノータイム法とは、ストレート法とほぼ同じだが、発酵時間を短縮し短い時間で作ることのできる製法である。そのために原材料の膨らませるため、伸展性を上げるための生地改良材も最も多く使用している。ただし、改良材が多いため生地発酵が早く進むため、長時間の作業に耐えられないデメリットもある。また消費者側からや衛生面に厳しい日本文化からしたら、短時間で仕上がるパンというものは信頼性に欠けるという人的な問題で人気が出ない製法としても知られている。最後にレーズンブレッドのようないろんな材料や固形物の入る生地は、なかなかグルテンの形成もできず時間がかかる。例えば、レーズンはグルテンの形成、すなわち気泡膜のつながりの邪魔をしてしまうのでこれだけでも多くの生地を発酵、膨張させる手段が必要である。また砂糖も多く含まれている製品であり、砂糖は多少まではイーストの栄養となり発酵の助けとなるが、多すぎると塩と同じでただ水分を奪ってしまうだけの存在となり発酵の抑制になってしまう。しかしどうしても原材料として多くなってしまうものを補うものとして強めの生地改良材を用いている。丸めるときにも注意が必要で、固形物が入っているので、膜が強い最初のうちに叩いて折り畳み最後にやさしく丸めるようにする。固形物が入った生地はベンチタイムが長引くと生地がだれて固形物の周りから途切れていくのでベンチオーバーには注意する。同じ材料を使っててもミキシングの仕方、発酵時間、丸め、パンチ、成型、モルダー、型への詰め方など色んな条件でパンの食感や風味までが変化することに面白みを感じた。同時に現場での細かい生地の取り扱いに注意しなければならないと感じた。

4日目

午前午後 食パン実習

内容

・計量

・捏上

・分割&成型

・焼成

・実食

<感想と考察>

今回は基礎製パン実技を基に自分たちで中種法食パン、直捏法食パンを作成し、生地状態や製品特徴を確認する実習を行った。まず、第一発酵に時間がかかるので中種法食パンを事前に計量していたものを入れてミキシングを開始した。水温は計算式だけでは当てはまらない室温、粉温、水温の調整が難しいのでどのパンを作る時もある程度の基準となる水温を自分で見つける事が大事である。もう一つ直捏法でも食パンを作ったので第一発酵している間にミキシングを開始した。直捏なので全材量を入れて捏ねるが、ショートニングは先に入れるとグルテン形成の妨げになるのでしっかりと生地に気泡膜ができてから投入する。ミキシング後の生地状態は自分の感覚よりも回していた。捏ね上がり、しばらく発酵した直捏法食パンは次にパンチを行い再び発酵させた。中種の時のミキシングも自分の感覚よりよく回していた。焼成時間は一律決められていたのだが、色の変化にも注意する必要があるので予定時間より少し早く出して焼き色の確認も大切である。実食確認の時には焼き色でホイロでの膨らみから窯伸びによるボリュームの変化も見て取れた。またU字やモルダーに二回通した作った車詰めした生地も見たらすぐに分かった。食すとやはり時間がかかったのと生地が傷んだりガス抜きがうまくいってないところに気泡膜の弱い大きな隙間ができてる部分が見られた。細かいところを怠ると最後の結果で総て分かるのは面白かった。

5日目

午前 小麦

内容

・小麦の構造

・小麦の分類

<感想と考察>

 小麦の粒の構造は、皮部、胚乳、胚芽の三つの部分に大きく分けられる。胚乳は小麦粒の約83%を占め、この部分が小麦粉となる。皮部は小麦粒の約15%で、ふすま(外皮)となって家畜用の餌などに使われる。残りの2%は胚芽であり、脂質、蛋白質、ミネラル、ビタミンなどの様々な栄養素が豊富に含まれているため、健康食品などに利用される。また、小麦は栽培の季節によって「春小麦」と「冬小麦」、粒の色によって「赤小麦」と「白小麦」、また粒の硬さによって「硬質小麦」、「中間質小麦」、「軟質小麦」に分けられる。硬質小麦は、主にパンや中華麺に、中間質小麦はうどんに、軟質小麦はケーキと天ぷらなどに使用されている。これら以外にも硬質のデュラム小麦がありスパゲティのパスタなどに使用されている。小麦の種類や特性、用途をもっと詳しくなれば、作りたいパンがある時に自分で小麦の種類からどの銘柄の小麦粉を使えば適切なのか自分で分かるようになりたい。

午後 小麦粉

内容

・小麦粉成分

・灰分

<感想と考察>

 小麦粉は通常13.0%~15.0%の水分を含んでいる。小麦粉の水分含量は製粉時の調質工程で原料小麦の水分含量をどのように調整したかによって異なる。調質とは小麦を挽きやすくすることである。強力粉の原料小麦は、胚乳が硬いため調質時の加水量を軟質小麦の場合よりも多くする。このために、一般に、強力粉の水分含量は薄力粉の値よりも若干高い。また、同一種類の小麦原料であっても冬は胚乳が硬くなるため、小麦粉の水分含量が夏よりも若干高くなる。また、製粉工程中に水分が一部蒸発するため、下級粉ほど水分含量が低くなる。小麦粉の水分含量は、必然的に小麦粉の吸水量に影響する。

小麦の皮部は胚乳部と比較して灰分含量が極めて高いため、小麦粉の灰分含量は粉の品位を判定する基準として使われている。原料の小麦が一定であれば、小麦粉の製粉歩留と灰分含量の間には正の相関関係があり、製粉歩留が低い小麦粉ほど灰分含量が低い。灰分含量が高くなると蛋白質含量が高くなり、それは同時に皮部の蛋白質の混入が増加することになる。皮部の蛋白質は、グルテンを形成する蛋白質ではないので製パン性は低いことになる。製パンに重要な特性を今後も意識していきたい。

6日目

午前 糖類

内容

・砂糖

・甘味料

・澱粉

・糖アルコール

<感想と考察>

 甘味料の分類は大きく分けて4つあり、砂糖、澱粉糖、糖アルコール、高甘味度甘味料である。砂糖はさとうきび、てんさい(ビート)が原料となる。澱粉糖はトウモロコシとイモが原料となる。糖アルコールとは糖の一種で原料糖(澱粉糖など)を水素添加することで作られ、天然に存在するものもある。高甘味度甘味料とは、カロリーはほぼ0kcal/gで糖質が持っている機能は、甘味以外は基本的に持っておらず砂糖の数百倍の甘さを持つ甘味料である。砂糖と味質を近づけるため、2種類以上の高甘味度甘味料を併用例が多い。糖類の使い分けできるように主な砂糖の種類などは覚えておきたい。

午後 製パン理論2

内容

・グルテンの粘弾性

<感想と考察>

 グルテンの粘弾性とは、ミキシングによってできる気泡膜ができるいわば、グルテンの骨格が粘弾性を出しているのであり、これは伸展性と弾性の両方のバランスが重要である。これにより小生の初期段階としての窯伸びの形成を左右する重要な点となる。グルテンの伸ばし(伸展性、柔軟性)と絡みを繰り返し(強度)焼成初期に最適なガス保持力を達成する。発酵、ベンチタイム、ホイロなどは伸ばしたり、絡めたりするための必要な作業である。  

 7日目

午前 製パン理論3

内容

・水和とパン生地の吸水

<感想と考察>

 パン生地の吸水力というのは、小麦粉の種類や粒の大きさも関係している。パン用粉としては強力粉が使用されている。強力粉と薄力粉はそれぞれ粒度違い強力粉40~100μm、薄力粉40μm以下となっている。粒度が細かい小麦粉の方が水とまとまるのは早いが、すぐに玉ができたりして混ざりも悪い。また細かすぎるとデンプン分子の粒が過度に損傷したり、たんぱく質が熱変性する。強力粉が使われるのはそこにあるが、近年の製粉技術の進歩によって近年のパン用小麦粉の水との混ざりはよくなってきている。パン用粉にはデンプンが70%を占めており、デンプン粒には損傷デンプンと健全デンプンが存在している。特に損傷デンプンとは粒が製粉過程で破壊され中身が見えている状態のデンプン粒で健全なものより中まで水を含むため吸水率が高い。また、ペントサンが微量に存在しこれも吸水力が極めて高くパン生地の吸水に貢献している。分子レベルで考えたこともないのでさまざまな現象が粉の中で起きて作用していることに驚いた。分子構造のことを深く学ぶことができたら細かい所まで理解ができるようになると思う。

午後 食品基礎化学

内容

・水素結合

・水への物質の溶解

<感想と考察>

 水素結合とは、水素原子+より電気的に陰性な-原子が水素原子を介して引き合う結合で、シンプルなので水分子などがこれにあたる。一つ一つの結合は不安定で弱い。ただし「水」を構成するH2Oの分子全体の引き寄せ合いにより、分子量の大きさのわりに高い沸点や大きい気化熱など、「水」独特の特徴が発揮される。水は極性分子である。δは微小な電気量を示し、水分子では酸素の方にマイナス、水素の方にプラスの電気的な偏りがあり、これが「極性」である。次に物質が溶ける仕組みだがこれは水とつながりやすいかどうかで分かる。例えば食塩の時、これに水を入れると「陽イオン」のナトリウムイオンは、水分子のマイナス側に、「陰イオン」の塩化物イオンは、水分子のプラス側に囲まれて、水の中に溶けていく。エタノールも水によく溶ける。エタノールの水酸基(-OH)は、水素側が電気的にプラスで、酸素側がマイナスのため水と引き合ってよく溶ける。逆に溶けづらいものというのは、油などがあげられるが、これは油が無極性分子だからである。極性を持つ物質は、極性を持たない物質には溶けにくく分離してしまう。原子分子構造レベルから、パンの構造を考えるとほとんどのことが理解できていないので今後のためにも復習して自分の中で形として理解できるようにする。

8日目

 製パン理論4

内容

・①ピックアップ段階

・②クリーンアップ段階

・③ディベロップメント段階

・④ファイナル段階

・⑤レットダウン段階

・⑥ブレイクダウン段階

<感想と考察>

 ミキシング中の生地状態は段階によって全く異なる状態をしている。①段階では、原材料が生地状にまとまった段階で分散も水とのまとまりも半分程度である。②段階では、生地がつながり始めミキサーの底がきれいになり、伸展性と段階が現れ厚い膜が出来始め分散もほぼ終了している。③段階は、伸展性と弾性が高まり、グルテンの伸ばしが進む。④段階では、もうグルテンの伸展性が最大限に進み、極めてよく伸び粘調性が大きくなる。⑤段階は、俗に言うオーバーミキシングであり、弾性が全くなく粘着性が高くなっている。⑥段階は、完全に生地が元の状態に戻ることもできなくなった言わば、破壊状態ともいえる状態である。

9日目

午前 生地改良材

内容

・使用目的

・酸化剤

・酵素剤

・界面活性剤(乳化剤)

・分散剤

<感想と考察>

 生地改良材は、高品質のパンを安定的に製造するためにある。一つはイーストの発酵を促進させる、二つは小麦粉の蛋白質や澱粉に作用しパン生地の改良を行うことである。現在では手作業から機械生産のパン製造が発展してきたがこれに伴い改良材が登場してきた。条件や時間統一が前提である機械生産となれば、途中で人為的に調整することができないので、必然的に生地改良剤の助けが必要となった。生地改良剤の使用目的は、各種原料の不備を補い、季節要因に左右されず、製造工程を安定化していつでもどこでも均一で良質のパンを作ることであり、主な働きは改良材の種類と共にそれぞれ違った働きをする。それぞれの原料と改良材の投入する意味を理解して、その状況に合わせた仕様ができるように理解する。

午後 製パン理論5

内容

・発酵

<感想と考察>

 発酵によってグルテンの粘弾性にはさまざまな影響を及ぼす。発酵による膨張の程度により、グルテンの伸展性が変化し、グルテンの絡み具合も発酵に至るまでのスピードによって変化する。生地の膨張度が一定であっても膨張に費やした時間が異なると生地の物性が異なりパンの品質が異なる。また、発酵速度もグルテンの粘弾性に影響がある。ガス発生力が適度であれば、既定の発酵時間になりグルテンの伸ばしと絡みも適切になり、適塾成な品質の良いパンになる。しかしいつでも同じ条件というわけもないので、状況によって自分で判断し条件を変えれるようにならなければならない。

10日目

マーケティング1

内容

・マーケティング

・商圏

・市場

・製品

<感想と考察>

 「マーケティング」とは、全てを市場から発想することであり、対象が広く、製品、商品、価格、広告、販売促進、流通、物流など自分で店を周り調査し新しいアイデアが生まれるためのきっかけを作ることができる。まさに製造業においては、これほどの情報を得られる場所は市場にしか存在しないのではないだろうか。方法論として、地域における経営販売戦略でありマーケティングの中でも極めて現実的・実践的な方法を「エリアマーケティング」という。また、流通販売の拠点がどの範囲の顧客を持って活動するかを表す言葉が商圏(サービスするエリア)である。主に活動範囲によって三つに分類されるので、商圏の大きさにより、商品の品種・構成・単価・時間帯・階層・性別・年齢・購買目的がそれぞれ異なってくる。したがって、販売拠点を設定する場合もその商圏がどの範囲であるかをしっかり調査し、把握しなくてはならない。時間がある時に店を除いてみてどのような顧客がいるか実際に目で見にいくと今までと違った見方ができる。

11日~20日

11日目

午前 製パン理論6

内容

・パンチ

・分割

・丸め

・ベンチタイム

・成型

<感想と考察>

 パンチは基本的に標準のストレート法で用いられる。パンチとは、発酵途中で生地を折りたたむことで、気泡分割、グルテンの絡み合いを進ませ弾性を高め膨張させる。パンチの強さは、生地の状態に合わせて調整しないと生地を傷めてしまう。次の分割工程では、その後の工程でのパンの品質に大きな影響を及ぼす。特に機械製パンでは、ディバイダー(分割機)による生地損傷が起こりやすいので、機械耐性のしっかりとした生地づくりをしなければならない。次に丸めの工程では、次工程での成形をしやすいように形を整え、ここでもグルテンと気泡数に注意して生地の柔軟性と伸展性を持たせるようにすることが大切である。次にベンチタイムでは、分割と丸めによって生じたグルテンの絡み合いの一部を解し、イーストの発酵による生地膨張を再度行う機関を設ける。これによって一度解いた生地は伸展性が高まり、成形しやすくなる。この工程でも徐々に発酵が進んで行ってしまうのでスピードが重要である。成型では、生地のグルテンの絡めにより弾性を高められる最後後の工程である。成形で言葉通り形が決まってくるので最後の調整が大事になってくる。ここでも生地の品質が変わらないうちに成形するのが大切なのでスピードも重要になってくる。どのようなパンを作るかによってパンチの工程から順に生地の具合を見ながら自分で調整できるようになる事が重要である。

午後 酵母

内容

・イースト

・特性と品種

・イーストの酵素

<感想と考察>

 パンはイーストが発酵するという生命現象を利用して作られる。イーストは、生地の一つの生物なので環境の影響も受けやすく適正温度が存在する。活動しやすいのは、25~38℃といわれており38℃が最も活性する。しかし10℃以下では活性が非常に弱まり、55℃以上では短時間で死滅してしまうので扱う際には温度管理も重要である。

またイーストが、糖分を分解すると炭酸ガスを発生させ生地膨張の役割を担っているが、これも砂糖や塩にも言えることだが、入れすぎると浸透圧の関係でイーストの活性が弱まり生地膨張の働きができなくなるので濃度にも注意が必要である。イーストは、パンによる使い分けもされているだけでなく、製パン法によっても使い分けされているものもある。イーストには数多くの酵素が存在しており、中でも製パン上で重要な働きをするのはインベルターゼ、マルターゼと金体内の酵素群の総称である「チマーゼ」である。インベルターゼは酵母の耐糖性に関係し、この酵素の活性が弱い酵母ほど耐糖性が高い。このため日本で使用される普通イーストは一般にインベルターゼ活性が低い。イーストが生物であることを考えれば、ここまでイーストのことを理解して使用していることに驚いている。イーストごとにもどのような環境化が最も活性するのかなど自分でも理解してそれにあった製パン法とパン作りをできるようになりたい。

12日目

午前 マーケティング

内容

・生活者視点

・人気店とは

<感想と考察>

 今回は、関東のあらゆる人気店となった店を紹介してもらった。人気店になったのにはそれぞれの店に特徴がありお客様を引き付けるほどの魅力があったということである。そのためにもリテイルベーカリーならではの人との距離が近い環境を活かして生活者の目線になって今のニーズに合った商品作りができる事が強みであったと思う。色んなリテイルの店舗を梯子するだけでもそれぞれの店の特徴を見れるので面白いと思う。

午後 課題研究説明と菓子パンの理論解説

内容

・課題研究説明

・菓子パンの理論解説

<感想と考察>

 課題研究とは、各製パン法または製パンでの工程条件について各種比較試験を行い、製パン理論構築に役立てるための実験である。今回の課題項目は、基礎も含めて7つの項目を行う。①基礎トレーニングでは、直捏法3バッチを合同で仕込み、分割成型作業を中心に基本作業の練習をおこなう。②食パン製法比較では、代表的3製法の中種、直捏、ノータイムの手分割機械分割での比較試験を行う。③食パン直捏法発酵時間に差をつけて実験を行う。パンチのタイミングや生地改良材の有無で変化を見る。④食パンの中種法本捏ミキシング時間変更やノータイム法フロアタイム変更をして比較する。⑤食パン中種法で100%中種か標準中種など比較を行う。また工程条件のミキシング、水、ホイロ等を変更して比較する。⑥菓子パンも加糖中種法、ノータイム中種法、液種法など比較する。⑦菓子パン実際の製パン条件であるアスコルビン酸とフロアタイムなどで比較する。各課題研究はそれぞれレポートを作成するので、比較がしっかりとできるように内容を把握して当日に望みたい。

13日目

午前 製パン理論7

内容

・ホイロ

<感想と考察>

 ホイロは、最終の発酵できる工程であり、ここで生地は製品の体積の60%~90%めで膨張する。この工程もタイミングやスピードも大切であり、それの変化によって、焼成での窯伸びやグルテンの伸びと絡み具合、気泡数の維持、気泡の方向性などが決まってくる。特にホイロに及ぼす時間には細心の注意が必要であり、パンの特徴、生地の熟成具合、生地製法、焼き方など状況に応じて臨機応変に対応しなければならない。

午後 食品添加物

内容

・食品添加物とは

・JECFA

・食品添加物表示方法

<感想と考察>

 食品添加物については、定義として「添加物とは、食品の製造の過程において又は加工若しくは保存の目的で使用するもの」と規定していて、それ自身は食品として通常食べられることなく、食品を作ったり、貯蔵するためには必要でわざわざ食品に添加されるものが食品添加物といわれるものであり、その意味では、食塩も香辛料も広い意味での食品添加物といえる。定義では、合成も天然の区別はなく、すべて同一に扱っている。しかし、化学的に合成されたものについては「化学的合成品とは、化学的手段により元素又は化合物に分解反応以外の化学反応を起こさせて得られた物質」と定義している。そして、加工食品が世界的に流通するようになり、食品に使用される食品添加物も国際的に共通であることが望まれてきたことからFAO(国際食糧農業機構)とWHO(世界保健機構)の合同の食品規格委員会が、世界共通の食品規格を作る作業を行っている。その中で食品添加物について、JECFA(合同食品添加物専門家委員会)が、世界的に使われている食品添加物について、規格と安全性の資料公表しており、ADI(一日摂取許容量)人間が一生涯毎日食べ続けても支障のない量の決められている食品添加物は、合成品や天然品の区別なく、リストが公表されている。また食品添加物はすべて表示の対象となり、用途名併記、物質名表示、一括名表示、表示免除の4つの表示方法が示された。物質名は、消費者に誤解を値ない範囲で、漢字、平仮名、カタカナを用いることが認められている。用途名併記の対象となる添加物は、既存添加物等については約200品目を示す。ただしここに収穫されていない品目でも、その膜的で使用した場合には用途表記名が必要であり、逆に収穫品目でも、その用途以外の目的で使用したことが明らかな場合は、その用途名を併記する必要はない。一括名とは、通常複数の食品添加物が組み合わされて使用され、個々の成分を表示する必要の少ない14種のものには、一括名の表示も認められている。表示する時は、使用者が読みやすく、理解しやすい用語により正確にしなけらばならないと思った。

14日目

食卓パン菓子パン実習デモ

内容

・直捏法ソフトロール

・直捏法ハードロール

・加藤中種法菓子パン

・スイートロール

・スイートロール(コーヒーケーキ)

・直捏法食パン

<感想と考察>

 食パン実習が多かった状況から、一転して本日より菓子パンなどのリッチな生地を扱う実習のデモンストレーションが行われた。リッチな生地は副材料が多くパンによっては成形の変化によって生地物性も変化してくる。特にロールパンやスイートロール、加藤中種法などは砂糖も卵も配合量が多くかなりリッチなパンである。そのためにミキシング中では混合させるのにも周りの生地を頻繁にかきながら入れる順番にも注意していた。粘性も強いので混ぜ合わせるまでかなり強くミキシングもしていたが、成形時の負荷を考えてその生地に合わせてミキシング量なども変えていかなければならない。明日から今日学んだことを自分で実習していくが、生地物性によっての生地の扱い方に注意したい。

15日目

食卓パン実習

内容

・直捏法ソフトロール

・中種法ソフトロール

・直捏法イギリスパン

<感想と考察>

 本日の実習はロールパンを中心に全工程を自分たちの班で分担しながら作業を行った。実習を通して直捏法と中種法を用いたロールパンの製品は明らかに違っていた。外側ではボリュームの違いや、例えばナフキンロールでの層の具合も直捏法では浮き出ていて分かりやすかったが、中種法では、平べったくなっていて丸く見えていた。内層の色にも白めかクリーム色か変化が見られた。最初は同じ生地でも成形する人や形、製法の違いによって生地の外部や内部に大きな変化ご生じることを知ることができてよかった。

16日目

菓子パン実習

内容

・直捏法菓子パン

・加藤中種法菓子パン

・直種法イギリスパン

<感想と考察>

 本日は、菓子パン生地による実習を行ったが、今までよく作ってきた食パン生地と一番違うところは菓子パン生地の吸水量の多さや砂糖など副材料の多さである。その分混合させるまで時間を要し、ミキシングしながら頻繁に周囲に散った生地を掻き落としながら進めていかなければならない。

17日目

午前 卵

内容

・卵の構造

・卵の組織

・卵の機能特性

<感想と考察>

 卵は大きく分けると、卵黄、卵白、卵殻、卵殻膜から構成されている。卵殻は大部分が炭酸カルシウムからなる硬い殻で、鶏卵の内容物を保護している。卵殻膜は、卵殻の内側にある非常に薄い膜で、二枚の膜からなる。卵白は粘着性のある物質であるが、その性状を見ると必ずしも一様ではなく、粘着性の高いか低いものがある。高いのを濃厚卵白、低いのを水様卵白という。卵黄はその表面を薄い卵黄膜で覆われている。卵黄膜の強度は卵の鮮度と関係があり、鮮度が古くなると破れやすくなる。卵には五つの機能がある。栄養価があるだけでなく、起泡性、熱凝固性、乳化性、色素といったバラエティに富んだ機能を持っていて、そのおかげであらゆる製品に色々使用されている。

午後  製パン理論8

内容

・パイル

・クラスト

<感想と考察>

 パイルは、クラスト形成後の生地の内部からの膨張に起因する。他の呼び方では、亀裂、窯伸びなどともいい、フランスパンで言うとクープ割れみたいな状態である。パイルは配合から工程条件によって影響が生じる。リーンな生地ほど生じやすく、他にも生地熟成が適熟~過熟で、生地表面の乾き具合、高温状態などでもパイルが大きく割れやすい要因である。また、クラストの形成には水分の蒸発量、つまりは焼減率が関係しており、クラストの厚さがこれで決まる。他にもプルマンの型詰めと蓋や、イギリスパン、天板置きのコッペパン、直置きのフランスパンなどパンの種類、型の置き方によって厚さが変化してくる。クラストの色艶に関しても、生地の表面温度上昇に伴い着色していきメイラード反応が顕著に起こる。アミノ酸やグルコースなどの還元糖が反応する極めて複雑な化学反応であり、最終的にメラノイジンと総称される着色成分を形成する。これが、焼きたての時の香り風味を変化させる。よいパン作りをするためには細かい調整が必要になってくるのでクラストの着色なども自分で使いこなせるようにならなければならない

18日目

欧風パン1

内容

・ストレート法フランスパン

・発酵種法

・発酵種法強力粉

・生地冷蔵法フランスパン

<感想と考察>

 今回の実習では、製法の違うフランスパン用粉を用いた、また一部フランスパン製法で強力粉を用いた場合の変化をデモンストレーションを通して実験を行ってもらった。フランスパン生地は、生地のミキシング時間も短くあまりグルテンを形成したり、イーストが活性出来る時間がないので製法によりさまざまな方法で手助けをしている。ストレート法は、イースト量を他の製法より多くし、発酵時間を長くすることで生地の伸展性を高めている。発酵種法では前日から発酵を進ませておいた生地を3割ほど混合させることでミキシング自体を短縮させ最も発酵を促すことができる製法であるともいえる。生地冷蔵法を使用するのは、冷蔵すると発酵を抑制しグルテン形成も少々しか起きない状態の生地になる。この発酵熟成させていた生地を使用することで時間短縮になるだけでなく膜厚で気泡膜が薄い内層のフランスパンになる。製法の違いによって外部から見えない内層や食感を変化させたり、ミキシング、水、イースト、捏上温度の変化でも善し悪しが決まってくるので自分の作りたいものは何を変化させることで一番近づけるか理解して今後の実習に望みたいと思う。

19日目

欧風パン2

内容

・パン・オ・ルヴァン

・ブリオッシュ

・クロワッサン

・デニッシュペストリー

<感想と考察>

 今回の実習では、水を使わない生地や生地の発酵力の弱い生地、デニッシュ生地など

生地の扱いをより丁寧にしなければならない生地が多かった。パン・オ・ルヴァンは発酵種を用いる生地なので、生地の扱いが難しく丸め成形にも耐えられるように手成形での加減に注意が必要である。他にもロールイン油脂を使用するデニッシュペストリーなどはリバースシーターで生地を伸す時に均等に伸すための工夫をしたり油脂の物性が変化しないように負荷がかかった後はすぐにショックフリーザーで冷却しながら作業を行う。明日から本格的に自分たちで実習を行うので丁寧な作業を心掛けたいと思う。

20日目

デニッシュ・クロワッサン実習

内容

・デニッシュペストリー(デンマークタイプ)

・クロワッサン(ハードタイプ)

・クロワッサン(ソフトタイプ)

<感想と考察>

 今回の実習は、特に成形工程での生地の気を遣いながら作業を行った。デンマークタイプの生地はデニッシュのザクッとした触感などを生地のミキシング量を抑えめにしていた。油脂にはバターを使用していたが、バターはロールイン油脂と違い冷却しすぎると固くなりすぎてシーターに通すと割れてしまう可能性があるので注意が必要である。またクロワッサンハードタイプとソフトタイプにも違いがあり、ハードは、ミキシング時間や吸水量が少なくなっていた。その代りクロワッサンならではの歯切れの良い「ザクザクとし食感」フワッとした触感になった。逆にソフトは、しっかりミキシングを加え吸水量も少し多くしていて、生地の成形も比較的しやすかった。日が経過してもソフト感はそこまで変わらないのでリテイルよりはホールセール向きの生地である。

21日~30日

21日目

フランスパン実習

内容

・フランスパン直捏法

・発酵生地を使用したフランスパン

・イギリスパン直捏法(練習)

・ブリオッシュ

<感想と考察>

 フランスパン実習では、工程が菓子パンや食パン類とも異なり特にミキシングでの生地状態を見ながらどこまで捏ねるのか見極めが必要、少ないミキシングでイーストの活動を全体に分散させるための予備発酵など気にしながら作業を進めるところが多いデリケートな生地である。分割丸目、成形にも生地が弱いのであまり強く伸したり捏ねることができないためうまく生地を丸めたり伸すための正しい成形を生地状態に合わせてしなければならない。最後の焼成では、フランスパンの場合よく焼きこんでいくため焼減率を気にしながら焼き加減を調整したりと配慮が必要である。現場では毎回焼減率を測るより外観だけで焼きこみが足りないかを判断できるようになる事が大切である。

22日目

フードセーフティ

内容

・食品工場が直面する問題

・食品安全

・汚染の原因

・汚染防止方法

・食品工場安全衛生管理基準

<感想・考察>

清掃計画実施表は記入するのが目的になりがちだが、あくまでも清掃計画を管理するツールである。生産が多くて掃除が出来ないなどのことが起こりえる。その際にはその通りにチェックをせず、SKJをもとに上長と相談をし、別の日に振り替えるなどの対応が必要となる。実際の現場ではSKJが形骸化されている状況が見られる。そのため、現場に戻ったら、整理 ・整頓 ・清掃 ・清潔 ・しつけの5Sをしっかりと自分で見直し、SKJに関しての取り扱いを考え直さなければならないと改めて感じた。

23日目

食品衛生

内容

・食中毒

・微生物

・食品殺菌法

・微生物由来の食中毒

・自然毒等による化学性食中毒

<感想・考察>

 食中毒とは、食中毒菌や有害物質が混入した飲食物を食べて発生する、下痢、嘔吐、腹痛などの健康障害であり、酷い場合には呼吸麻痺、脱水、腎臓障害などで死亡する場合もある。食中毒は、細菌類性、ウイルス性、自然毒・化学物質による化学性の食中毒に大きく分けられる。特に、微生物由来の食中毒発生件数のうち約8割を占めている。微生物では、主にカビ類、細菌類、ウイルスに分類されその中でも3大食中毒菌といわれるのは、「サルモネラ」、「カンピロバクター」、「ノロウイルス」である。それぞれの食中毒菌に対する機能を理解し把握しておくことも重要だが、そもそも繁殖させないための予防策として清潔、迅速摂取、温度管理といった自己の予防策も重要となってくる要素の一つである。食品による食中毒事件例も今では事例がたくさんあるがその分だけ対策も増えているので、一人一人が殺菌予防といった菌を増やさないために心掛けるべきであると感じた。

24日目

製パン理論9

内容

・加熱様式

<感想と考察>

 加熱する様式は、窯のタイプによってもそれぞれ異なる。伝熱加熱の場合、窯の炉床

を加熱するため物体から物体に直接熱が伝わるのでパン型の形なら外部から内部に伝わっていく。輻射(放射)加熱は、窯の内壁から発生する遠赤外線で加熱する窯であり、固定釜が主体で使われている。生地の厚さが一定の場合、温度、火力、高さ、内壁によって熱伝導率が決まる。よく使用される、銅版やレンガなどでは熱伝導に大きな違いがある。銅版は熱伝導が速く、急激な熱輻射が生じる。それに対してレンガつくりでは熱伝導が遅く、穏やかな熱輻射になる。それぞれパンによって相性の良いものがあり使い分けることができる。次に対流加熱とは、空気、水蒸気、燃焼ガスなどの対流による加熱を行う。加熱ムラが少なく、特に側面への過熱を効果的に行う。特にリールオーブンなどの運行窯では、力を発揮し焼窯内を移動するパン生地によって加熱された水蒸気、空気や燃焼ガスの対流がより高まり対流加熱の比率が高まる。しかし、固定釜では、移動力がないため対流は低い。窯ごとに製品の焼き加減も違ってくるので、もちろん機種や製品によっても違いがあるので、なぜこのパンにはこのオーブンを使用するのかなど考えて選ぶ必要がある。

午後 油脂

内容

・油脂の役割

<感想と考察>

 油脂は、パンに添加すると様々なメリットがあり、美味しくする為には必要不可欠なものである。食感ではサクッとして歯切れがよくなり、老化を防ぎソフトでしっとりとする。また、生地の伸展性や機械耐性が向上し、窯伸びが良くなりボリュームが出る。ジューシー感、コクが出て豊かな風味になる。香りを付けるときに香り成分と油を乳化させておくことでパンに添加する時混合しやすくなる。またエネルギーだけでなく、抗酸化物質など微量成分も含むことで栄養価を高めてくれる。パンに欠かせない油脂をバターやショートニングなど種類ごとに使い分けできるようそれぞれのメリットデメリットをしっかり理解したい。

25日目

製パン理論10

内容

・標準中種法

・100%中種法

・加糖中種法

・再捏法(リミックス法)

・小麦粉液種法(フラワーブリュー法)

<感想・考察>

小麦粉液種法は小麦粉と水を同量加えた流動性の高い種を発酵させ、それを本捏生地に加えて捏ね上げる製法である。この製法は中種法に近いパンの特徴になる。流動性を高めた小麦粉液種であれば、タンクで自動発酵後冷却保存し、ミキサーへ自動投入が可能である。現在はまだ中種法にパンの品質は若干劣るが、今後研究が進み中種法と同じレベルの製品を生産出来れば、ホールセールベーカリー目線で見るならば中種工程の人員を減らし合理的な生産が出来ると考えられる。また、この方法ならばサワー種とのブレンドも容易に出来て、配合の比率を変えることで、違う風味を持つ製品を同一工程で生産出来る。

26日目

冷凍冷蔵生地

内容

・冷凍生地

・冷蔵生地

<考察・感想>

 冷凍、冷蔵生地とは、生地を冷却し貯蔵する生地であり、冷凍生地はイーストの発酵を停止、冷蔵生地は抑制することができる。これは、製パン工程において中断、再開を合理化した画期的な製造法である。冷凍生地における利点は、製造スペース、設備の軽減、熟練した職人が不要、焼成回数増が容易、多品種少量生産が容易であること。また、冷凍生地を使用した製パンの欠点としては、冷凍、貯蔵、流通に伴う経費やパンの品質が低下しやすいことである。実際、冷凍冷蔵生地を扱うには、品質の安定性の高い冷凍生地の製造が必要であり、問題点を把握しておき適切な取り扱いが重要である。これからのパン業界において冷凍冷蔵生地をうまく利用していく事が発展につながると感じた。

27日目

課題研究 

28日目

午前 洋菓子理論

内容

・洋菓子とは

・洋菓子を作る構成要素

・基本生地の分類

<考察と感想>

 パンとは、生地の風味や書簡を味わう生地主体の主食として扱われているが、洋菓子は、生地、クリーム、仕上げ素材の風味、食感、色、造形など見た目から味まですべてを楽しむのが洋菓子というものである。言い換えれば、生地、クリーム、仕上げ素材のすべてが主役ということになる。基本は、三同割、四同割として、全卵、砂糖、薄力粉、バターの配合が主体となる。製法の基本や原則が多彩でそれぞれの製法に共通点がない。基本生地によっても製法がそれぞれ異なり、主にスポンジ生地、ケーキ生地、クッキー生地、シュー生地などがあり配合が少しずつ変わっているが基本材料は同じである。製法の変化で全く違うものができるのが見た目から楽しむことができるのも面白かった。

 午後 乳化剤

内容

・乳化剤とは

・構造

・基本的性質

・界面活性剤

<感想と考察>

 乳化剤とは、本来混ざり合わない水と油のような物質同士を、例で言うと、牛乳のようなに見かけ上は均一な状態にする働きをする物質をいう。牛乳は、水と油から構成されているのに均一な状態を保つことができるのは、牛乳中にはカゼインという天然の乳化剤が存在しているからである。乳化剤を食品に使用する場合、天然物あるいは合成物に関わらず、食品衛生法で定められた乳化剤のみしか使用することができない。食品用の乳化剤は界面活性剤の一種であるので、親水部と新油部からなっている。親水部は多価アルコールからなり、親油部は脂肪酸から構成されている。乳化剤の性質は、この親水部と親油部のバランスを変化させることで、物性、界面活性を種々変化させることができる。乳化剤(界面活性剤)は一分子中に親水部と親油部を持っている。このような構造を持つ界面活性剤を水中に添加すると、親油部は本来水を避ける性質があるために、水から遠ざかろうとして、なるべく水との接触を小さくすることにより、二通りの形態で存在することになる。一つは、界面への吸着、もう一つは会合体形成である。乳化剤は種類によって、油分が多いか、水分が多いかを理解して必要な時に適正な乳化剤が添加できるようになることがより美味しいパン作りにつながる。

29日目

ケーキ実習

内容

・パウンドケーキ

・チョコブラウニー

<感想と考察>

 本日の実習は、普段見なれていない洋菓子作りをメインにデモと実習を行った。チョコレートブラウニーは基本的に材料を混ぜ合わせるだけだが、パウンドケーキつくりは、比重を合わせるのがなかなか手間が変わり手間取っているだけで生地中の気泡が浮いてきてなくなり、それだけでも比重が変化してしまう。今回私が担当した実験比較は、本来薄力粉で作るケーキを強力粉、中力粉、薄力粉で比重を合わせた状態で比較してみる試験である。強力粉はボソボソした食感で初めは風味がするけどすぐに消える薄味に感じる。ここから、中力粉、薄力粉になるにつれて徐々に風味が増し、食感や歯切れのいいケーキになっていく。比較実験をすると比重や粉選びが大事なのもよくわかる。

30日目

クッキー実習

内容

・延ばしクッキー

・メロンパン

・アメリカンクッキー

<感想・考察>

 今日の実習は、延ばしクッキーを作る時に、マーガリンの種類を変えて三パターン食べ比べをした。今回使用したマーガリンは、ザックとした重い食感に仕上がる「マーガリンゴールド」、油脂結晶が細かいため、乳化力が高く生地が均一に仕上がり、サクッとした食感になる「ノヴァマーガリンコンセブールガトー」、チルド帯でも油脂結晶が出にくいため、冷蔵庫から出したてでも使用でき、クッキー冷却時に多くの油脂結晶化が非常に早くできるため、非常に軽く、脆く崩れる食感になりやすい「ひんやりソフト」の三種類の比較をした。それぞれ、焼く前はマーガリンの色合いで見た目の比較ができたが、焼成後は見分けがつかない。しかし、上記で述べた食感の違いにより、それぞれ個性のある違いがみられるので、作りたい食感をマーガリンによって変化させることができる事が分かった。

31日~40日

31日目

パイ実習

内容

・低融点油脂の折りパイ

・練りパイ(外国式)

<感想と考察>

 本日のパイ実習では、低融点、高融点油脂の硬さの違い及び生地製法の違いによる製品の浮き程度を比較した。私の班の担当は、低融点折りパイと練りパイ外国式であったが結果的に市販のものなどでよく使用されているものは、高融点油脂と練りパイ日本式の方が見た目のボリュームがあるので主流である。今回の成形では、比較のために使用された製法が外国式である。低融点と高融点に大きな差はなかったが季節などによって使い分けることがある。低融点では成形でリーフパイとパルミエパイを作り、外国式では、アップルパイをつくった。低融点生地は、ロールインもしやすく成形時も生地状態的に成形しやすかった印象だが、練りパイの外国式は仕込み時点で油脂を生地に混ぜ込んで仕込んでいるために生地状態が柔らかくて扱いが多少難しかった。特に成形時のアップスパイでは、下生地、上生地、帯生地など後から付け加える生地を作成する初めてする作業にもビックリした。パイ生地実習では、生地よりも油脂の種類ごとの変化や性能を知ることができた。

32日目

冷凍生地実習

内容

・ホテルブレッド

・バターロール

・菓子パン平生地

・照り焼きチキン

・チーズ&チーズ

・ハム&チーズ

・フランク

・デニッシュスクエア

・シトロン

<感想・考察>

本日の課題は、冷凍実習による課題で、1つは成形冷凍生地ホテルブレッド丸生地~オーバーナイト解凍させ、リターダー温度の影響を生地状態を見て確認する。二つ目は、成形冷凍バターロール生地の製造~解凍して焼成まで行うフロアータイムの影響を確認する。三つ目は、生地玉冷凍生地からの焼き込み調理パンの焼成を行った。四つ目は、デニッシュスクエアー冷凍生地からのデニッシュペストリーのバラエティーの焼成を行った。今回の実習でよく分かったのは、冷凍生地による冷凍損傷による影響などはほとんどなく、使用者の解凍、冷蔵解凍の仕方によって生地への影響が出てしまうことである。

33日目
34日目
 課題研究 

35日目

調理パン実習

内容

・サンドイッチ

<感想・考察>

 本実習では、パンの食べ方、素材の組み合わせ方、調理の仕方の技術を習得する。また、調理する上で衛生学的観点を踏まえて調理を学んでいった。衛生面では、手洗いから作業中に使用する道具から、作業場や材料の洗浄にも心掛ける必要がある。今回は、衛生にも注意を払いながら、「三角サンド」、「メンチカツサンド」、「ミッシュブロートのタルティーヌ」、「パーティーサンド」の四品を作った。それぞれ、盛り付け方や切断面を意識してカットを行った。断面を表面に出すため、その部分に具材がすべてきれいに出るように配置して綺麗に切断する技術力が必要になってくる。また、パーティーサンドの場合、盛り付け方や誰もが楽しめるようにあらゆる組み合わせの切り方をする工夫など考え方によってはバリエーションが増える。

36日目

オーストリア・ドイツ・スイス製パン実習

内容

・ヴルツェルブロート

・ヌスツオプフ

・タイロウレン

・ロッゲルヘン

・プレッツェル

・ストゥルーデル

・パスタデューロ

・QimiQを使用したサンドイッチ

<感想・考察>

 今回の実習は、オーストリア人のウェルネル・エベナウア先生によるヨーロッパの食卓パンや高級菓子パンから朝食のサンドイッチまでデモンストレーションから実習まで行いました。ヨーロッパは、日本の一人あたりのパンの年間消費量である16kgであるのにたいして軽く50kgは超えているのでどれだけパンの文化が日本で広まってないかがわかる。ヨーロッパは一日どころか一時間当たりのパン生産量が万単位であり、パンの種類に関しても地域ごとに4000種類以上はあるため非常にパン食文化が発展している。よく食卓パンとして知られている、食パン、ロールパン、フランスパンなどが知られているが、それだけで食卓パンを語ってはいけない。ヨーロッパの伝統的な食卓パンとして昔から食べられているのが、パスタデューロという食卓パンがあり、外がクリスピーで、中がソフトなパンが主流となっている。パスタデューロは、日が経ても外も中もそこまで老化した感じもなく同じ味が楽しめるのも他の食卓パンとの違うところである。ヨーロッパが日本よりもいかにパン文化が進んでいるか実習を経てまだまだ知るべき知識があるのだと感じた。

37日目

発酵種(サワー種)製パン

内容

・多加水パン

・生クリーム食パン

・カンパーニュ

・シンケンブロート

・菓子パン生地

<感想・考察>

 今回の実験では、前日仕込んだ発酵種を使用した各製法の生地物性などを観察した。多加水パンは、ルヴァン種と多加水による生地物性の変化を観察した。生クリームパンでは、ホワイトサワー種を使用した短時間製法の製品である。カンパーニュとはルヴァンリキッド(液種)による生地の脆弱化と風味食感の改善を観察した。シンケンブロートは、ライ麦粉サワー種による風味と製パン性の改善の実験。これは、伝統的な三段階法によるロッゲンミッシュブロートである。菓子パン生地は、麹併用米粉発酵種による菓子パンの品質改良である。各種製法により、普段の菓子パン、食卓パン類と違った生地物性が存在することが理解できた。発酵種の存在がこれからの製パンの多様性にも関わってくるのもそう遠くはない。

38日目 課題研究 

39日目

乳製品を利用した実習

内容

・ヴィエノワ(クレーム・デュレ)

・濃厚チーズブール

・とろーりチーズのハンバーグピザ

・スピラルフロマージュ

・ほんわかあんこホイップ

<感想・考察>

 今回の実験では、蒸しパンを通して乳製品の効果的な使い方を学ぶ実習を行った。まず牛乳を使用すると、風味・食感の向上が見られる。これは、優しい甘さとミルク風味、香ばしい風味を感じられる。ソフトできめ細かい滑らかで、しっとりとした食感になるが、乳のマスキング効果もある。焼き色の向上、老化抑制、作業性の向上も見込まれる。クリームを使用した場合は、風味の向上、食感の向上、焼き色の向上、老化の抑制が見込まれる。これは、クリームの種類によって多少特徴が異なる。またバターでは、ショートニング性(クッキーなど)、可逆性(クロワッサン、パイなど)、クリーミング性(バターケーキなど)など用途によって使い分ける。副材料の性質の理解も深めると、パンのクオリティーを上げられるようになる。

40日目

国内産小麦の多様性と製パン性実習

内容

・ホテル食パン(ゆめちから55%)

・バゲットトラディション

・食パン2品種比較

<感想・考察>

 今回の実習では、「ゆめちから」と府県産麺用品種のブレンド・ホテル食パンの作成、フランス産小麦と麩質が近似している「さちかおり」を使用したバゲット、硬質パン用小麦の蛋白含量と麩質の違いによる製パン性の比較、硬質パン用小麦と軟質麺用品種の生地物性確認試験などを行った。硬質小麦、軟質小麦に使用し比較試験を行った小麦粉は、「ゆめちから」(硬質)、「春よ恋」(硬質)、「さとのそら」(軟質)、「さちかおり」(硬質)、「ミナミノカオリ」(硬質)で「さとのそら」を主体とし、同じ吸水で比較をした。軟質小麦以外は、なかなか水和が進まず硬質小麦同士で比べてもそれぞれの特性の違いで差が出ていたが、軟質小麦は明らかに生地の水和が速く、最後には多加水とミキシングによるダメージで生地が死んでしまった。国内産小麦が、ブレンド次第で理想の小麦粉を作れるのは、軟質、硬質の小麦粉のそれぞれの個性ある特性が出ているからこそできる事だと思う。

41日~48日

41日目

膨張剤を使用した蒸し物実習

内容

・アルプス蒸し

・中華饅頭

・黒糖スチーム

・チーズ蒸しケーキ

・甘食

・レーズンスコーン

<感想・考察>

 本日の実習では、蒸しパンを通して、なぜ菓子には膨張剤が必要なのか実習を通して学んだ。何故膨張させるのかというと、外観・見た目の商品価値を高めたり、火通りを良くし、美味しくなるのが目的である。店に並んでいる商品もボリュームがないよりも、大きくボリュームが出ている方が商品として見た目が良く見える。膨張剤だけでなく、空気、酵母、水蒸気、化学的によっても膨張を促すことができる。空気は、空気の膨張により膨らませるが、油脂に空気を混ぜ込む「クリーミング性」と、卵に空気を抱き込ませる「ホイッピング性」などの方法がある。酵母は、イースト発酵によって生ずる炭酸ガスにより膨らむ。水蒸気は、温度の上昇により、水が水蒸気になり膨らむ。化学的には、主に化学反応を利用して膨らませるが、炭酸ガスやアンモニアガスを利用して膨らますことが主である。膨張させるにもいろいろ方法はあるが、ボリュームを出すということが人としての価値観で考えると大切なことだということがわかる。

42日目 課題研究 

43日目

マーケティング発表、基礎課程修了時試験

内容

・食パンにおける市場調査発表

・1級技能検定学科試験

<感想・考察>

 今回は、学科試験とマーケティングの発表を行った。一級学科試験は、今まで習ったことの集大成であった。マーケティングでは、各班それぞれ既定のパンの種類ごとに発表を行った。それぞれ評価項目に特色があり、メロンパンやアンパンなどフィリング入りのものは、その重量も測って比較していた。リテイルやホールセールによって内容物の入れ方や質もこだわりがあり新しい情報が多々あった。発表を通して、特にリテイルベーカリーの店の特色を説明してもらったことで、一度は訪れてみたいと思った。

44.45日目

欧風パン

内容

・チャバタ

・パーネアレオリーブ

・グリッシーニ

・フォカッチャプッリエーゼ

・パネトーネ

・パーネカルロアルベルト

・ミッシュブロート

・ブロートヒェン

<感想・考察>

 今回は、欧風パン実習でイタリアパンを主体に、前回出来なかったドイツとオーストリアの伝統的なパンの製品を作った。「チャバタ」は、イタリアのパンで伝統的なビガ種を使用したパンである。ヴェローナのパン職人ファヴァロン・フランチェスコが最初に製法を考えて製造した。「パーネアレオリーブ」は、ビガ種とリエビト・マードレを併用させて膨らませるパンである。「グリッシーニ」は、ストレート法の製法で細長くカリッと焼成する成形をするお菓子のようなパンである。「フォカッチャプッリエーゼ」は、リエビト・マードレと発酵生地を使用し、ホイロでは30分ごとに指を使って徐々に天板に伸ばしていく。「パネトーネ」は、リエビト・マードレを使用したオーバーナイト中種法である。パネトーネ誕生の歴史はいくつかあるが、その代表的なのがトーニのパン説であり、「パーネディトーニ」が誕生の由来である。「パーネカルロアルベルト」は、リエビト・マードレと発酵生地を併用しており、特徴としてはアンチョビを使用している所である。パン生地に魚を使用しているのは珍しいと思われる。「ミッシュブロート」は、ライ麦粉サワー種(一段階法)を使用した大型のパンである。「ブロートヒェン」は、粉末ライ麦粉サワー種を仕込んで作ったドイツの伝統的なパンである。

6日目

ドーナツ実習

内容

・イーストドーナツ

・ケーキドーナツ

・フレンチクルーラー

<感想・考察>

 本日のドーナツ実習は、ケーキドーナツとイーストドーナツの作成を行った。今回は前述のドーナツのみしか作成していないが、それぞれのドーナツの特徴について説明する。ケーキドーナツは、膨張剤としてBP(ベーキングパウダー)を使用し、工程条件はミキシング、成形、フライするだけなので約30分ほどで終わる。特徴は、サックリとしており、成績バラエティが少ない。フレンチクルーラーは、膨張を水蒸気に任せており、工程条件的にはケーキドーナツとそこまで変わらない。特徴は、こちらも似ているが、作り方により出来上がった後にしか仕上げ作業ができない。イーストドーナツは、イーストのパン酵母の力で膨張させる。イーストが入っているので、工程には上記工程に加えて、発酵やホイロ時間を設ける必要があるため、工程に上記のドーナツより工程が長くなる。食感はソフトで歯切れがよく、ボリュームがある。しかも成型工程では、生地がパンに近いので、バラエティに富んだ作品ができる。

47.48日目

欧州パン実習

内容

・サリーラン

・グリッシーニ

・ショコラータ

・フォカッチャ

・パン・ビエノワ

・カイザーゼンメル

・ハードトースト

<感想・考察>

 今回は、欧風パンを自分たちで作る実習だったのだが、ハードトーストだけは手捏による工程で進めた。過去にハードトーストの工程条件でイースト量を増やしたり、吸水、改良剤添加などあらゆる試行錯誤を重ねたが、最も適していのが手捏ねによる工程であった。手捏ねによる生地の弾性強化にはかなり手を焼き、作業してるが分かりしても、仕事を思い出させるような体力を使った。先人たちは、このようにして手作業のしんどさを日々味わいながら過ごしていたとすると大変なことであることが分かった。

<まとめ>

簡単ですが以上が基礎コースの内容と感想です。

基礎コースでは、様々な分野の勉強をする事ができ、知識と考えかたの幅が広がります。

日ごろの仕事でグルテンの細かい構造や副材料の細かい役割などを考えて仕事をしていなかったので、パン作りの楽しみ方が広がりました。

何より一番大きかったのは、同業他社の人達や先生方との交流です。

この出会いは人生の財産となるものでした。


基礎コースが修了すると残りの1ヶ月は専門課程に入ります。

専門課程は・ブレッドコース ・ロールコース ・リテイルコースの3つから選び、より深く学んでいきます。

以上。報告終わります。

コメント

  1. […] […]

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