はじめに
筆者は全国チェーンベーカリーで10年ほど店長として店舗運営をやらせてもらっています。
店長をやっていると、日々ストレスを感じる事も多いと思います。
そのストレスの原因は主に人の事でしょう?
言った通り動いてくれない、愚痴を言われている、態度が悪い、退職者が多い、などなど
筆者も店長をやりはじめた時はそんなストレスを感じ仕事をしていましたが
10年もやれば、店長に必要なスキルも身に付き、試行錯誤を繰り返し解決してきました。
そのノウハウを報告します。
スタッフの陰口(かげぐち)を言わない
断言します!自店のスタッフの陰口を言っている店長のお店で上手くいっている店舗はありません。
理由は明確です。
陰口を言ったらいけない理由
・陰口は必ず伝わる
噂話が伝わるように、陰口も伝わります。また陰口は直接言われるよりダメージが大きく、信頼を失います。
・何の解決にもならない
態度の悪いスタッフの陰口を言った所でその人が良くなる事はありません。自分がスッキリする事はあるかもしれませんが、その陰口が伝わると余計に関係が悪くなり結果ストレスが倍増します。
・信頼性を失う
店長が陰口を言っていると、それを聞かされているスタッフは「自分の事も陰で言われているかもしれない」と思います。そうなると信頼しているスタッフからも信頼されなくなります。
「口は禍の元」です。悪い事を言っていると必ずしっぺ返しをくらいます。
こんな事例があります。
僕がある店舗へ応援に行った時の事でした。
その店舗は退職者が多く、店の雰囲気も暗いお店でした。
一緒に働いている時その店長は僕にこう言いました。
「あなたのお店のスタッフは仕事も早い人く、いい人ばかりでいいですよね~」と
コレ自分の職場で絶対言ったらダメなセリフです。本人にその気がなくても、
裏を返せば「自分の店のスタッフは仕事が遅く、嫌な人ばっかりだよ~」ととらえられてしまいます。
こんな店長には誰もついていきたくありませんし、信頼なんかできません。
結局マネジメントが上手くいかないのを、人のせいにしているだけで、自分に問題があると思っていないのです。
そういう店はチームワークが悪いので、仕事の効率も上がらず、その店長は常に多くの仕事とストレスをかかえている状態です。
ですが内容を変えれば「口は禍の元」から「口は幸いの元」へ転じます。
その方法は良い事を陰で言う陽口です。
スタッフの陽口(ひなたぐち)を言おう
陰口は陰で悪口を言う事ですが、陽口は陰で良い事を言う事です。
この効果は直接スタッフを褒める以上に効果がある方法です。
陽口を言うメリット
・効果がある
直接褒められた場合でも嬉しいですが、人によっては「機嫌取りしてきているな」と感じとられます。ですが別の人から「店長が褒めていたよ」と聞くと認められている気持ちになります。
・より長所を伸ばせる
例えば仕事が早い人に直接「仕事が早いね」と褒める事も良いですが、人によっては「仕事を早くする事を維持し続けろよ」と言われているように感じとられプレッシャーに感じる人もいます。ですが別の人はから「店長が仕事が早いと褒めていたよ」と聞くと、自分で早くする事を維持しようと意識するので、自分から成長してくれます。
・スタッフから信頼される
陽口を続けていると「この店長は陰口を言わないな」「自分の事も見てくれている」と感じ信頼してくれるようになります。
スタッフから信頼されるようになると、仕事の指摘も素直に聞いてくれるようになり、結果自分もスタッフも心軽やかに仕事ができるようになります。
仕事の指摘方法でもテクニックがあります。
仕事の指摘テクニック
仕事をしている時は褒めるだけではなく、当然注意や指摘をしなければなりません。
ですが指摘ばかりしていると、その人は自身を失い、自ら考える事をやめ、仕事にやりがいを感じられなり退職してしまいます。
指摘をする時は一つ認めて、指摘しましょう。
僕はパン屋なので、パンの事例です。
規定の焼き加減より少し焼きすぎている時に「このパン焼きすぎだよ。やりなおして」と言うと、反発しやすい人はムスッした態度をとります。
ですが、「このパン、ホイロのとりかたはバッチリだね。でも少し焼きすぎなんで、次はもう2分タイマー短くして」と指摘すると、「ホイロの取り方バッチリだね」で耳が開くので、その後の指摘を素直に聞きます。
人は自分に都合が悪い事は聞きたくないので耳を閉じます。
逆に自分に都合の良い事は耳を開きます。
なので指摘したい時は良い事を言い、耳が開いている状態で指摘すると聞きやすくなりますよ。
まとめ
もしあなたが職場の人で悩んでいる場合は今のやり方が間違っていると認識しましょう。
同じ店長なので気持ちは分かりますが、決してスタッフのせいにしてはいけません。
あなたがスタッフを疑い、敵だと思うと、人は鏡。相手もそう思います。
まず指摘よりも良い所を見つけ、陽口や褒め、信頼関係ができた上、指摘するようにしてください。
職場環境を改善する事は一朝一夕で出来る事ではありません。毎日の積み重ねでの長いスパンによりなせる事なので、焦らず継続して下さい。
気が付いた時には人の悩みはなくなり、心軽やかに店長をやっているでしょう。
ちなみに僕は毎日仕事終わりは「お疲れ様」の後に必ず「ありがとう」と言うようにしています。
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