はじめに
筆者は全国チェーンのリテールベーカリーで10年以上店長をやらせてもらっています。
店長になったばかりの時、いつもこう思ってました。
リーダーシップって何だろう?
『リーダーシップとは?』でネットで検索してみましたが「指導力・統率力」などと表現されコレといった答えはありませんでした。
先輩店長や上司の課長や部長などに『リーダーシップっ何ですかね?』と質問したが
「人を引っ張る力」だとか「部下に仕事をやらせる事だ」とか様々で一人一人自分なりのリーダーシップ論がありイマイチ納得できませんでした。
ですが10年以上店長をやって他の店長達や上司達の仕事をみて分かった事があります。
リーダーシップには大きく2つのタイプがあります。
一つ目は店長という権限を使ってスタッフをコントロールしようとするコントロールタイプ
もう一つは手本を見せ説明と行動でスタッフを動かすモデルタイプ
順番に説明します。
リーダーシップ~コントロールタイプ~
コントロールタイプの特徴は一昔前のリーダーに多く、いわゆる体育会系と言われるリーダーに多く見られます。
権限や恐怖を使い人を動かすにはアメとムチが大事という考え方です。
自分は店長だから店長の言う事は絶対だ!という意思があり強引にでも皆を同じ方向へ引っ張っていく事が正義だと考えています。常に自分の思うように指示を出しスタッフをコントロールしようとします。
上下関係を大事にしており上司からの信頼は厚く自分を慕ってくれるスタッフは大事にしますが不満や反対意見を言う人に対しては「じゃあ辞めれば」など権力を使い脅したり、周りに「あいつはダメだ」など悪評を流します。
それを恐れてスタッフは言うことをききます。
このコントロールタイプのリーダーシップは簡単です。
簡単ですが上手くいきません。
それどころか人はどんどん離れていきます。
リーダーシップ~モデルタイプ~
モデルタイプは恐怖や権限は使いません。
憧れや尊敬により部下に「こんな人になりたい」と思わせるのがモデルタイプです。
憧れや尊敬を原動力にしているので周りが勝手にやる気になって協力的になります。
そんな人いる⁉と思うかもしれませんが少数ですが実際います。
努力次第であなたがモデルタイプのリーダーシップを発揮する事も可能です。
モデルタイプのリーダーシップを発揮する為の条件は④つあります。
リーダーシップ~モデルタイプの条件① 見本を見せる
見本、手本を見せる。これが非常に重要です。
部下が仕事で悩んでいる時や上手くいかない時に「こうしろ!ああしろ!」と口で言っても部下は「じゃあやってみろよ」「うるせーな」としか思いません。
ですが実際にやってみせる事で「なるほど。この人のやっているようにすれば大丈夫だな」となります。
口で理屈を並べるのではなく行動で示すのです。
その為にあなたがやるべきことは、逃げずに本気でやる事です。
コレは部下の仕事と決めつけずに部下の仕事も本気でやり、まず自分が結果を出す事で部下の尊敬を得る事ができます。どの部分でも自分より仕事のできる上司はなめられる事はありません。
その為には自分自身がプレイヤーとして一番努力する事です。
リーダーシップ~モデルタイプの条件② 信頼する
部下を信頼する。
あなたが信頼されたいなら、まずこちらから信頼する事です。
ただ間違ってはいけないのが自分は部下を信頼しているから、誰かの愚痴を言う。は間違っています。
あなたが陰で誰かを批判していると、部下は「この人は自分の事も陰で批判してるんだろーな」と感じます。
それと逆であなたが陰で誰かを褒めていると部下は「この人は人の事を悪く言わない人で信頼できるな」と感じます。
信頼は一日二日では築けません。
日々の積み重ねにより構築されていきます。
その為にあなたがやるべき事は感情的になっても部下の人格否定をするような言葉は決して発さない事です。
「お前はダメな奴だ」「お前はいらない」というような言葉を言うと、その人はあなたを見るのも嫌になりやる気も信頼も失います。
リーダーシップ~モデルタイプの条件③ 説明する
説明する。
何か新しい仕事のスタート時や現状を変える時は説明する事です。
人は変化が苦手です。
会社から指示があり実行する時に「上が言っているからやる」や「文句いわずにやりなさい」では部下はモヤモヤしてやる気になりません。
なぜやらないといけないか?それをやる事でどうなるのか?を明確にして部下のモヤモヤを払拭してから行動する事で成果がでます。
その為にあなたがやるべきことは上からの指示がでたときにあなた自身が納得できるような説明を求める事です。
リーダーシップ~モデルタイプの条件④ 感謝する
感謝する。
仕事はやってあたりまえ。という考えは当たり前ではありません。
仕事はチームワークでやるもの。あなたの仕事はあなたのチームが良い成果を出す事。誰か一人が欠けると成り立ちません。
一人一人の仕事であなたの仕事が成り立ちます。感謝の気持ちで見守る事です。
感謝の気持ちがあれば自然と「ありがとう」がでます。
部下に感謝の気持ちを伝える事で部下は承認された気持ちになり、よりやる気になります。
また褒められる事で気持ちよくなり「この人と仕事していると気持ちがいい」となります。
あなたがやるべきことは信頼して部下の仕事を見守り感謝の気持ちを伝える事です。
まとめ
あなたはコントロールタイプとモデルタイプのどちらのリーダーシップを目指しますか?
コントロールタイプも決してダメな事ばかりではありません。強引に引っ張っていく事で結果が早く出る事もありますし、過去の上司は怖かったけど自分の成長につながった。と感じている人もいると思います。
ですが当時の時代背景と現在はまるで違います。
昔は愛のムチも許されていましたが現在ではすぐパワハラです。
周りを見てみてください。
昔すごい怖かったおじさん上司が優しくなった。ってありませんか?
それは角がとれて丸くなったのではなく、今のままのやり方ではダメだと気づいただけです。
モデルタイプは実力と人間力が必要で難しそうですが意識と努力で実現できます。
ちなみにモデルタイプの意味は「こんな人になりたい」自分のモデルという意味もありますが、
上記画像にある山本五十六の有名な格言「やってみせ言って聞かせてさせてみて誉めてやらねば人は動かじ 話し合い耳を傾け承認し任せてやらねば人は育たず やっている姿を感謝で見守って信頼せねば人は実らず」
この言葉をモデルにしたようなリーダーシップという意味もあります。
さいごに
これから店長になるあなたへ
一般社員から店長に任命されたあなたは期待と不安の中にいると思います。
店長になると急に景色がガラッと変わり孤独感を感じる事になります。
思い通りにいかない事もあり悩む事もあります。
でもそれが正常な事です。
店長になるということは親になる事です。
親が子供と同じ目線ではいけません。孤独に感じるのはあなたのレベルが周りよりワンステップ上がっているという事です。
そこに年齢や年数、性別は関係はありません。
思い通りにいかなくても子供が成長していくと嬉しいものです。それと同時にあなたも成長していきます。
わがままな子も素直な子も合わせて可愛いと思えるような気持ちでいれば上手くいきます。
あなたの活躍をかげながら応援しています。
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