【店長の悩み】失敗実例から学ぶ~年上部下の扱い方~

店長必見

僕は全国チェーンベーカリーで10年ほど店長として店舗運営をやらせてもらっています。

店長をやっていると、日々ストレスを感じる事も多いと思います。

そのストレスの原因は主に人の事でしょう?
言った通り動いてくれない、愚痴を言われている、態度が悪い、退職者が多い、などなど

僕も店長をやりはじめた時はそんなストレスを感じ仕事をしていましたが

10年もやれば、店長に必要なスキルも身に付き、試行錯誤を繰り返し解決してきました。

そのノウハウを報告します。

年上の部下や元上司の部下

早くして店長をやっていると、どうしても年上の部下が出てきます。

年上の部下ならともかく、自分が新人の時の店長や上司が部下になっている事もあります。

あなたの職場にも、このような関係性の年上の部下はいませんか?


・新人の時の店長~当時は店長だったが、訳あって現在一般社員


・新人の時の育成係~当時よく面倒を見てくれた先輩社員


・何十年も店長をやってきたベテラン店長~役職定年で一般社員へ降格したベテラン

このような関係性の場合、年数、キャリア共に相手が上であり、自分が新人の頃に仕事を教えてもらったり仕事の失敗した過去などを知っているのでやりにくいと感じるかもしれません。

この人達との接し方を選択を間違えると大変です。

こんな事例があります。

あるA店長の話です。

A店長は真面目で仕事ができ、お客さんやスタッフからも人気のある店長でした。
そんなA店長、会社からも期待されていたので、ランクアップし売り上げ規模の大きい店舗へと栄転となりました。

ですが、その店舗は規模が大きい分、スタッフも元店長やベテラン社員の多い店舗でした。
そのほとんどがA店長より年上で、キャリアも上の人ばかりです。

A店長はなめられたらいけないと思い着任早々必死で店舗のデータを見て勉強し改善案を指示していきました。

ですが、感や経験に頼る年上のベテラン社員は今のやり方が正しいと思いこんでいるので言う事を聞いてくれません。
ベテラン社員がいう事を聞かないので、アルバイトやパートも聞いてくれません。

何度言っても指示通り動いてくれないのでA店長は自分で仕事を抱え全てやるようになりました。

しばらくすると真面目なA店長は自分の思い描いていた店舗運営が出来ていない事へのストレスとスタッフとの関係性で悩み鬱病を発症してしまい休職してしまいました。

なぜこうなったのでしょうか?

それは、店舗の核である年上のベテラン社員との付き合い方を間違えてしまったのです。

ベテラン社員や元チーフには少なからず自尊心と影響力があります。

長くやっている人は今までのやり方を中々変えられず、パートやアルバイトにも自分のやり方で育成してしまいます。

ややこしい自尊心影響力ですが、上手く扱うと自分にとって非常に有利に働きます。

自尊心を上げてあげる

自尊心とは誇りやプライドの事です。

年上部下は自分の上に年下でキャリアの短い店長が来る事に対して「なんでこんな若造が!」と少なからず自尊心が傷ついています。

なので指示や指摘をすれば余計に自尊心が傷つき反抗します。

なのでまずやる事は一つ。自尊心を上げてあげるのです。

自尊心を上げる方法

・リスペクト(尊敬)する
 まずはリスペクトしましょう。「綺麗なパン焼きますね~どうやってるんですか?」「へ~そんなやり方もあるんですね~」「○○さんがいれば安心ですね!」など相手が気持ちよくなる言葉を言ってあげる

・相談する
 誰かに頼られると必要とされていると感じ自尊心が上がります。例えば「クレームを減らす為にどうしたらいいですかね?」「今までよく売れたアイテムって何がありますか?」

・選択させる
 例えば、週1回機械のフィルターを掃除させたいと思った時に、「毎週月曜日にフィルター掃除するよ」ではなく「週一でフィルター掃除しようと思うんですが、何曜日がいいですかね?」とフィルター掃除は決定だけどどうでもいい曜日だけ決めさせるだけで自尊心は保たれます。

こんな感じですが正直めんどくさいですね。

めんどくさいですが、年上部下が味方につけば、次はその影響力で店長は楽になります。

影響力を利用する


 年上部下などベテラン社員には影響力があります。パートやアルバイトの距離感も店長より一般社員ですし、人数も一般社員のほうが多いです。
年上部下を味方につければ、その人が指示を出してくれるようになります。

また他の店舗の社員がベテラン店長に様子を尋ねた時、自分の事を認めてもらっているので、「今の店長、若造だけど見る目のある店長だな」と言ってくれる事もあります。

目的を考える

なんか年上に媚うってるだけじゃないか!と聞こえてきそうですね。

全然違います。

目的が「自分の思い描いているお店作り」であるならば、その為に年上を上手に持ち上げ、コントロールしているのです。

年上部下とのやり取りで失敗している店長の多くは「自分は店長だぞ」という力でコントロールしようとするから失敗するのです。

店長はあくまで役割。課長も部長も別に偉い訳ではなく、組織をスムーズに回す為のただの役割です。

そこを間違え謙虚さを失うと、上手くいきません。

まとめ

もしあなたが職場の人で悩んでいる場合は今のやり方が間違っていると認識しましょう。

同じ店長なので気持ちは分かりますが、決してスタッフのせいにしてはいけません。

あなたがスタッフを疑い、敵だと思うと、人は鏡。相手もそう思います。

年上部下や元上司などは、若いころに同じ経験をしているはずです。自分が店長だからと力まず、素直に頼ればいいのです。自尊心が保たれ協力を頼まれると嬉しいものです。
その関係性ができていれば、お互い間違った事を指摘しあえるようになります。
ベテランでも、店長でももちろん間違います。その時指摘して気づかせてくれる人は必要です。

職場環境を改善する事は一朝一夕で出来る事ではありません。毎日の積み重ねでの長いスパンによりなせる事なので、焦らず継続して下さい。

気が付いた時には人の悩みはなくなり、心軽やかに店長をやっているでしょう。

ちなみに僕は、仕事中はついつい声を荒めで年上部下を叱る事はありますが、プライベートや仕事外では、めちゃめちゃ謙虚な姿勢で接しています。

コメント

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